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「首尾一貫」の意味
「首尾一貫」(しゅびいっかん)は、物事の最初から終わりまで筋道が通っていて矛盾がないさま、考えや行動に一貫性があることを意味する四字熟語です。「首」は「はじめ」、「尾」は「おわり」を表し、「一貫」は「一つに貫く」という意味です。つまり、始めから終わりまで一本の筋が通っていることを表現しています。
「首尾一貫」の由来と歴史的背景
「首尾一貫」は中国の古典に由来する言葉です。元来は「首尾相応」という言葉があり、物事の始めと終わりが調和していることを意味していました。これが日本に伝わり、「一貫」という概念と結びついて「首尾一貫」という言葉が生まれたとされています。
中国の儒教思想においても、言行一致や理念の継続性が重んじられており、この言葉はそうした価値観を反映しています。日本では江戸時代から使われるようになり、特に論理的な議論や政治的な主張において重要な概念として定着しました。
「首尾一貫」の現代における使い方と例文
現代における使い方
現代では「首尾一貫」は主に以下のような場面で使われます:
- 論理的な議論や主張の評価:「彼の論文は首尾一貫しており、説得力がある」
- 人の行動や考え方の評価:「彼女の行動は首尾一貫していて信頼できる」
- 物語や文章の構成について:「この小説は首尾一貫したストーリー展開が魅力だ」
- ビジネスや組織の方針について:「会社の経営方針は首尾一貫しており、社員も理解しやすい」
例文
- 「彼の説明は首尾一貫していて、誰もが納得した」
- 「この政策は首尾一貫した理念に基づいている」
- 「首尾一貫した論理展開ができなければ、読者を説得することはできない」
- 「彼女の言動は常に首尾一貫しており、多くの人から信頼されている」
「首尾一貫」の対義語と類語
対義語:
- 支離滅裂(しりめつれつ):筋道が通らず、バラバラであること
- 矛盾(むじゅん):つじつまが合わないこと
- 前後不一致(ぜんごふいっち):前と後ろで整合性がないこと
類語:
- 一貫性(いっかんせい):始終変わらない性質
- 筋が通る(すじがとおる):論理的に道筋が立っていること
- 前後一致(ぜんごいっち):前と後ろで整合性があること
- 一環(いっかん):一続きのもの
英語表現
「首尾一貫」に相当する英語表現としては、以下のようなものがあります:
- Consistent(一貫した)
例:His argument is consistent from beginning to end.
(彼の議論は最初から最後まで一貫している) - Coherent(筋の通った)
例:She presented a coherent analysis of the situation.
(彼女は状況について筋の通った分析を提示した) - Logically consistent(論理的に一貫した)
例:The theory is logically consistent with the evidence.
(その理論は証拠と論理的に一貫している) - Follow through(最後までやり遂げる)
例:He always follows through on his promises.
(彼は常に約束を最後まで遂行する) - Maintain consistency(一貫性を保つ)
例:It’s important to maintain consistency in your business strategy.
(ビジネス戦略において一貫性を保つことは重要だ)
「首尾一貫」は日本語の美しい四字熟語の一つで、物事の整合性や一貫性を表現する上で欠かせない言葉です。論理的思考や信頼関係の構築において重要な概念を表しています。