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「青天の霹靂」の意味
「青天の霹靂(せいてんのへきれき)」は、澄んだ青空に突然雷が鳴るという意味から転じて、予想外のことが突然起こることや思いがけない出来事によって受ける衝撃を表す故事成語です。
「青天の霹靂」の由来と歴史的背景
この言葉の由来は、中国・南宋時代(12-13世紀)の詩人陸游(りくゆう)が詠んだ漢詩『九月四日鶏未鳴起作(九月四日鶏未だ鳴かず起きて作る)』に由来します。
原詩の該当部分:
「放翁病過秋、忽起作醉墨。正如久蟄龍、青天飛霹靂」
この詩は、陸游が病床にあった時に突然起き上がって筆を走らせた、その勢いを雷や稲妻に例えたもので、本来は筆勢の激しさを表現した言葉でした。これが日本に伝わり、現在の「予想外の出来事」という意味で使われるようになったのです。
「青天の霹靂」の現代における使い方と例文
現代における使い方
「青天の霹靂」は現代でも幅広く使われており、良い意味でも悪い意味でも使用できます。重要なのは、単に「突発的」というだけでなく、衝撃的な影響を与える出来事であることが条件です。
例文
- 「彼が突然退職すると言い出したのは、まさに青天の霹靂だった」
- 「宝くじの1等に当選するとは青天の霹靂だ」
- 「あの代議士が首相になるなんて青天の霹靂だ」
- 「長年付き合っていた恋人からの突然の別れ話は青天の霹靂だった」
「青天の霹靂」の類語と対義語
類語
- 寝耳に水(ねみみにみず)
- 虚を突かれる(きょをつかれる)
- 藪から棒(やぶからぼう)
- 突然(とつぜん)
- 出し抜け(だしぬけ)
- 急遽(きゅうきょ)
対義語
- 予定調和(よていちょうわ):前もって定められた通りに事が運ぶこと
- 日常茶飯事(にちじょうさはんじ):毎日同じでありふれた出来事
「青天の霹靂」の英語表現
英語では以下のような表現があります:
- “A bolt from the blue”(青空からの稲妻)
- “A bolt out of the blue”
- “Out of the blue”(突然に、思いがけなく)
- “A thunderbolt out of the blue”
例文:
- “The news was a bolt from the blue.”(そのニュースは青天の霹靂だった)
- “He appeared out of the blue.”(彼は突然現れた)
「晴天の霹靂」と書くのは誤りです。正しくは「青天の霹靂」です。霹靂(へきれき)」は激しい雷鳴や落雷を意味します。「青天の霹靂」は、日本語の豊かな表現力を示す故事成語の一つとして、現代でも多くの場面で使われ続けています。