MNP案件って何??

テレビを見ていて、MNP案件とは何だろうという疑問にぶち当たり、調べてみました。

MNP案件とは何か

MNP案件とは、日本の携帯電話サービスに関連する用語で、主に2つの意味合いがあります。

1. 正規の意味でのMNP

MNPは「Mobile Number Portability(モバイルナンバーポータビリティ)」の略称で、携帯電話番号を変えることなく、別の通信事業者(キャリア)に乗り換えることができる制度です。この制度は、消費者がより自由に通信事業者を選択できるようにするために導入されました。

正規のMNP手続きでは:

  • 現在契約中の通信会社でMNP予約番号を取得する
  • その番号を使って新しい通信会社で契約手続きを行う
  • 電話番号はそのままで、サービスが切り替わる

これにより、連絡先の変更などの手間をかけずに通信事業者を変更できます。

2. 闇ビジネスとしてのMNP案件

一方で、「MNP案件」という言葉は、特に最近では携帯電話の不正な転売ビジネスを指す言葉としても使われています。このビジネスモデルは以下のような仕組みで成り立っています

仕組み

  1. 通信会社は新規契約や乗り換え(MNP)時に、端末を大幅に値引きして販売する
  2. この割引を利用して安く入手した端末を市場価格で転売することで利益を得る
  3. SNSなどで「スマホの乗り換えを手伝うだけで数万円稼げる」と宣伝し、個人を勧誘する

実際の流れ

  1. 勧誘された人が自分の名義で契約
  2. 契約したスマホを「手配師」と呼ばれる仲介者に引き渡す
  3. 手配師はそのスマホを転売して利益を得る
  4. 契約者には報酬が支払われる

NHKによると、このような乗り換えを行う人間に転売の目的を伏せてスマホを契約させ、1台数万円の報酬と引き換えにスマホを大量に集めているケースがあるとのことです。

MNP案件の問題点とリスク

法的リスク

  1. 携帯電話不正利用防止法違反
    • 契約したスマホを携帯電話会社に無断で譲り渡す行為は法律で禁止されています
    • 転売されたスマホが犯罪に悪用されるリスクがあります
  2. 詐欺罪や私文書偽造罪に問われる可能性
    • 家族や友人の名義を勝手に使用して契約した場合
    • 虚偽の申告をして契約した場合

経済的リスク

  1. 多額の料金請求
    • 契約時には気づかなかった高額なオプションが付けられている場合がある
    • 解約時に違約金が発生する可能性がある
  2. 信用情報への影響
    • 支払いができなくなると、個人の信用情報に傷がつき、将来的な借入やクレジットカード契約に影響する

犯罪への加担リスク

転売されたスマホやSIMカードは、振り込め詐欺などの犯罪グループに渡る可能性があります。NHKの調査では、このような犯罪グループに流れているケースが確認されています。

なぜ横行しているのか

  1. 通信会社の販売戦略
    • 通信会社や販売店が、契約獲得のために端末を大幅値引きして販売する「1円スマホ」などのサービスの隙を突いている
  2. SNSでの拡散
    • 「日給3万円」「簡単に稼げる」といった甘い言葉でSNS上で勧誘が横行
  3. 仕組みの巧妙さ
    • 一般の人にとっては、単に「スマホを乗り換える手伝い」に見えるため、リスクを認識しにくい

どう対処すべきか

  1. SNSなどでの甘い誘いに注意する
    • 「簡単に稼げる」「日給数万円」といった話には警戒する
  2. 契約内容をしっかり確認する
    • 特に小さな文字で書かれた契約条件にも目を通す
  3. 知らない人にスマホやSIMカードを譲渡しない
    • 譲渡は法律違反になる可能性がある
  4. 不安を感じたら専門機関に相談する
    • 消費者ホットラインや警察に相談する

MNP案件は、正規の乗り換え制度を悪用した闇ビジネスの側面があり、知らず知らずのうちに犯罪に加担してしまう危険性があります。甘い誘いには十分に注意し、契約内容をしっかり確認することが重要です。

正規のMNP(キャリア乗り換え)自体は便利な制度ですが、「MNP案件」という言葉で勧誘される場合は注意が必要です。

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