【隔靴掻痒】って何??

目次

隔靴掻痒とは、「履いた靴の上から痒いところを掻く」という行為に由来し、思い通りにならずもどかしいことや、物事の核心に触れることができずにはがゆい状況を表す四字熟語です。

この四字熟語は、中国古代の仏教関係の書物に起源があります:

  • 出典:南宋時代の禅の書物『無門関(むもんかん)』と『景徳伝燈録』
  • 語源:「隔靴」は「靴による隔たり」、「掻痒」は「ひっかく、かゆい」という意味の組み合わせ
  • 比喩的意味:靴の上からかいてもかゆみは解消されないことから、本質に触れずにもどかしい状況を表現

現代における使い方

現代では以下のような場面で使用されています:

  1. 議論や説明が核心に触れない時
  2. 思うように事が進まない状況
  3. 間接的なアプローチしかできない場合

例文

  • 「先日の彼の答弁には、隔靴掻痒の感をぬぐえない」
  • 「私はその様子を隔靴掻痒の思いでただ見守っていた」
  • 「会議の行方を隔靴掻痒の思いで見守った」
  • 「彼の説明は隔靴掻痒の感があった」

類語

  • 二階から目薬:効果がないことのたとえ
  • はがゆい
  • もどかしい
  • じれったい

対義語

麻姑掻痒(まこそうよう)が主な対義語です:

  • 意味:物事が思い通りになること、痒いところに手が届くこと
  • 由来:「麻姑」は中国の伝説上の仙女の名前で、鳥のような長い爪を持っているため、痒いところをかくのに適していると言われた

英語表現

隔靴掻痒を英語で表現する場合、以下のような表現があります:

  • “scratching through the sole of one’s shoe”(直訳)
  • “irritating”(はがゆい)
  • “impatient”(じれったい)
  • “frustrating”(もどかしい)
  • “Having an itch that one cannot scratch”(掻けないところが痒い)

英語例文

  • “His explanation was irritating because he just wouldn’t come to the point.”
    (彼の説明は隔靴掻痒の感があった)
  • “It is often frustrating to try to express ourselves in a foreign language.”
    (外国語で自分を表現しようとするのは、しばしば隔靴掻痒の思いがする)

この四字熟語は、現代でもビジネスシーンや日常会話で、もどかしい状況を表現する際に使われ続けており、文学的で格調高い表現として重宝されています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次