最近よく聞く「デブリ」という言葉について、なんだか良くわからないし、なぜ「ゴミ」と言わないのか?
疑問に感じたので、調べてみました。
目次
デブリ(Debris)とは
デブリは英語の「debris」から来た言葉で、基本的に「破壊された物の破片や残骸」を意味します。元々はフランス語由来で「がれき」という意味を持ちます。
デブリとゴミの違い
項目 | デブリ | 一般的なゴミ |
---|---|---|
発生原因 | 破壊・事故・災害・崩壊によって生じる | 日常生活・消費活動で不要になったもの |
性質 | もともとは価値のあった物が破壊されて破片化したもの | 使用済みの廃棄物 |
状態 | 破片、残骸、がれき状態 | 完全な形のまま廃棄されることが多い |
除去の困難さ | 除去が技術的に困難な場合が多い | 比較的容易に処理可能 |
デブリの種類と具体例
1. スペースデブリ(宇宙ゴミ)
- 役目を終えた人工衛星やロケットの破片
- 数mmから数十mまで様々なサイズ
- 高速で地球周回軌道を移動し、非常に危険
- 現在約2万個が確認されている
2. 燃料デブリ
- 福島第一原発事故で溶け落ちた核燃料が冷えて固まったもの
- 核燃料と周囲の構造物が混ざり合った状態
- 1~3号機で計約880トンが推定されている
- 極めて高い放射線を放出し、取り出し作業は技術的に極めて困難
3. 災害デブリ
- 地震、台風、洪水などで破壊された建物のがれき
- 津波で海に流出した流木や建材
- 爆発事故で散らばった破片
デブリの特徴
- 除去の困難性:通常のゴミと違い、技術的・物理的に除去が困難
- 危険性:高速移動(宇宙デブリ)や放射能(燃料デブリ)など、人体や環境に危険
- 長期性:自然に消失せず、長期間にわたって問題となる
- 連鎖的増加:デブリ同士の衝突で更なるデブリが生成される可能性
デブリは単なる「ゴミ」とは異なり、破壊や事故によって生じた深刻な技術的課題を伴う物質を意味しています。特に宇宙デブリや燃料デブリは、現代社会が直面する重要な環境・安全問題となっています。