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「気宇壮大」の意味
気宇壮大(きうそうだい)は、心意気や度量、発想などが並外れて大きく立派であることを表す四字熟語です。人の器の大きさや構想のスケールの壮大さを表現するときに使われます。
具体的には以下のような意味があります:
- 心の持ち方や度量が非常に広い
- 気性や心意気が雄大である
- 考え方のスケールが大きく立派
- 構想や計画が壮大である
「気宇壮大」の由来と歴史的背景
由来
この四字熟語は「気宇」と「壮大」の組み合わせから成り立っています:
- 気宇:心の広さ、心構え、心の持ち方、度量を意味する
- 壮大:非常に大きくて立派なさまを表す
歴史的背景
「気宇壮大」は現在ほどメジャーな言葉ではなかった時代があります。
- 昔は様々なバリエーションが存在していました:
- 「気宇闊大」(きうかつだい)- 大正5年から昭和17年にかけて使用
- 「気宇広大」(きうこうだい)- 大正6年から1970年代まで23の使用例
- 「気宇遠大」(きうえんだい)- 昭和18年に1例のみ
- 「気宇壮大」の最古の使用例は1957年(昭和32年)とされています
- 太宰治の『津軽』(1944年)では「気宇広大の蛮声」という表現が使われており、当時は「気宇広大」が一般的でした
つまり、「気宇壮大」は昭和中期以降に他の表現を押しのけて現在の地位を築いた比較的「新しい」四字熟語ということになります。
「気宇壮大」の現代における使い方と例文
現代における使い方
- 人物評価:「気宇壮大な人物」
- 計画・構想:「気宇壮大な計画」
- 作品評価:「気宇壮大な大河小説」
例文
- 「彼の気宇壮大な性格は、多くの人を引きつける魅力がある」
- 「気宇壮大な計画もいいけれど、まずは足元を固めることから始めよう」
- 「酒が入ればただちに気宇壮大となる気質は父親から受け継いだものであろう」
「気宇壮大」の類語と対義語
類語
四字熟語
- 気宇軒昂(きうけんこう):意気込みが盛んで堂々としているさま
- 気宇雄豪(きうゆうごう):気性が雄大で豪快なこと
- 気宇広大(きうこうだい):心が広く大きいこと
その他の類語
- スケールの大きい
- 雄大な
- 豪快な
- 器の大きい
対義語
明確な対義語は辞書に掲載されていませんが、以下のような語が反対の意味として考えられます:
- 狭量(きょうりょう):心が狭く、他人の意見を受け入れられないこと
- 偏狭(へんきょう):考えや心が狭いこと
- 卑小(ひしょう):小さくてつまらないこと
- 斗筲之人(としょうのひと):非常に器の小さい人
- 矮小(わいしょう):こぢんまりしていること
「気宇壮大」の英語表現
英語表現
「気宇壮大」を英語で表現する場合、以下のような語句が使われます:
- magnanimous:寛大な、気宇壮大な
- grand:壮大な
- grandiose:壮大な、大規模な
- ambitious:野心的な、大志のある
- large-scale:スケールの大きな
- spectacular:目を見張るような
例文
- “He has a magnanimous attitude of mind”(彼は気宇壮大な心構えを持っている)
- “She proposed a grand and spectacular plan”(彼女は気宇壮大な計画を提案した)
「気宇壮大」は、人の器の大きさや構想の雄大さを表現する代表的な四字熟語です。現在では一般的な表現となっていますが、歴史的には「気宇広大」「気宇闊大」などの先輩格の表現があり、比較的新しい時代に定着した背景がります。基本的に褒め言葉として使われ、人物評価や作品・計画の壮大さを表現する際に効果的に活用できる表現です。